『Black The Fall』の評価:パズルゲームではありません!
このゲームはパズルゲームではない!
謎解きのギミックを探すところから始まったりと
もはや、パズルを見つけるゲームになっている
それに、主人公の能力を考えれば、通れそうな場所も通れなかったり
ゲームのデザインや、キャラクターの設定も雑だったりする
これは、設定の甘さや、デザインのつたなさ
とてもパズルゲームとしては、お金を出して買おうとは思わない
「なんだ、文句ばっかりじゃないか」と思われるだろうが
最初に書いたとおり、これはパズルゲームとしてみてはいけない
結論をいうと、これは俗にいう”雰囲気ゲー”そのものだった
調べてみると、そもそも作者が伝えたかったのは、どうやら世界観のほうだった
『Black The Fall』:世界観と考察
開発元であるSand Sailor Studioがなにを表現したかったか
検索してみると、Unityのサイトにインタビュー記事があった
「ルーマニアの共産主義は、歴史資産価値がある」というのが、デザインの元になったらしく
『Black The Fall』のなかで、恐怖、抑圧、圧政などを表現したそうだ
作中、闇に包まれているのも、それらを表現したかったと書かれている
ゲーム内は、全くの暗闇というわけではなく
街に出れば、街頭や、炎など灯りがともる場所がある

これは、生きようとする希望を表現したもの
この対比を、ゲームの雰囲気にいかしたと記事にある
では、プレイヤーがそれを感じとれたのか
たしかに作中、暗い施設内から、外に出たときの開放感はあった
暗いところから、生命が誕生したように、物語をとおして、それは表現されてる
ほかにも、ゲームの序盤を過ぎたあたり
犬のような(4足歩行かどかは定かではないが)ロボットが相棒になる
見た目は、いい感じに可愛くないが
囮になってくれたり、足場になったり、パズルを解くには欠かせない相棒になる
作者の表現したかった”抑圧から脱出するための生きる希望”
しかし、”生物は共存しないと生きてはいけない”
“他者と関わることは、さけられない”というテーマもあるのだろうか…
そんな深読みをしてしまう
ここからネタバレになるが、終盤ではその相棒を弾にして壁を突き破るギミックがある
「いや、打ち出すんかーい!」と言いたくなるが、他者を利用するのも自然の摂理
もはや終盤では、生きるのにも必至である
『Black The Fall』:感想・まとめ

「fall」を辞書で調べると、崩壊、没落、衰退を意味するらしい
直訳すると、”暗黒の崩壊”
「これは、雰囲気を楽しむゲームだよ」と言われても
正直お金を払ってまでプレイするか、と聞かれると困ってしまう
しかし、全くのムダだったかというと
ルーマニアのことを調べるきっかけになったし
Sand Sailor Studioが全くのデタラメで作ったわけでもなかった
とはいえ、あくまでゲームはゲーム
キャラクターの設定、ゲームデザイン、パズルの完成度
ゲームとして大事な部分が、ガタガタなのは大問題だ
『INSIDE』のようなゲームを期待するのは禁物
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