ゲームハードの現状
PS5がリリースされて、先月の11月に一周年が経過
Xbox Series X・Sもおなじく、1周年を迎え、次世代だったコンシューマゲームのデータが1年分そろいました
そこから得られた事実を元に、「これからのゲームハードはどうなるのか」を考えた結果
結論からいうと、“ゲームハードはPC化する”ということ
これは以前読んだ本で語られていた予測でしたが、いよいよ現実味を帯びてきました
ここでいう「PC化」とは、機械としてのハード面も、ソフトの買い方から遊び方まで、現在のPCのようになるという意味
すでにPC化しつつあるゲームハードですが、その変化と、原因をみていきましょう
ゲーム機の高性能化
ゲーム機が高性能化すると、行きつく先はゲーミングPCになります
なぜかというと、ゲーム自体が高グラフィック化するようになったから
グラフィックがどうして現在のようなスタイルになったのか
説明するには、各ハード会社がどいった方向性でゲーム機をつくっているのか
それを知ると、過去に出たハードや、現在、これから出る次世代機の理解もしやすくなります
時代はさかのぼって、15年ほど前
Wii・PS3・Xbox 360と、現在でもおなじ三つ巴の戦い真っただ中
この時期から、各ハードの方向性が決まっています
任天堂はGCでとった、高性能路線が失敗
舵きりを変え、Wiiリモコンを前面にだした独自路線に進んでいきます
任天堂の目指したものは、“家庭でも邪魔もの扱いされないゲーム機”
ターゲット層には子供だけでなく、将来的に購入してくれる、ゲーム市場の顧客を増やそうという狙いがあります
そういった理由で、テレビを占有しない『Wii U』や、『スイッチ』、携帯機に力をいれるというハード路線になっています
一方、『PlayStation』シリーズを展開するソニー
こちらは対照的に、“高グラフィックで、豪華なゲーム体験”が売り
グラフィック性能を高めるため、ゲーム機本体の高性能化が欠かせません
独自チップを開発し、PS3にのせましたが失敗
PS4では堅実に高性能で、コスト面でもバランスの取れたハードに仕上げ、売り上げを伸ばしました
PS5では抑えめですが、それでもGTX 1660前後の性能になっています
Xboxも高性能路線ですが、マイクロソフトも独自の路線を模索しています
それは、”ネットワークサービスの拡充”
筆者も利用してる『Xbox Game Pass』では、月額850円前後でラインナップにあるソフトを遊び放題というサービス
『龍が如く』シリーズや、『NieR:Automata』、『Back 4 Blood』などの最新ゲームもラインナップされてることもあります
月に1本遊んだとしても、かなりお得なサービスです
そして、WindowsのPCとの連携も強味
ゲームパスはPCでも利用することが可能です
「高性能化の先はゲーミングPC」の話に戻ると、グラフィックを突き詰めていくと差別化が不可能になります
どのキャラクターも現実のような実写のグラフィックを追うようになり、すでに洋ゲーや、海外向けに開発している会社はそうなりつつあります
さらにゲーム機の性能があがり、性能を追求した先は高グラフィックを処理できるゲーム機
つまりゲーミングPCとなります
実はPCだけでなく、スマホや、タブレットなど、それぞれ専用のパーツを使っているだけで、基本的な構造はゲーム機も一緒だったりします
PCゲームユーザーは徐々にですが、増加傾向にあります
Youtubeや、SNSなどでゲーミングPCの知名度や、情報も手に入りやすくなり、購入も昔より簡単になりました
ユーザーにとっては家庭用コンシューマ・ゲーミングPCと、さまざまなハードで遊びやすくなった昨今
PS5・Xbox Xの高性能化しつつある今、すでにハードを複数機もつ意味も薄れてきています
ソフトの独占販売
任天堂なら、マリオ、ゼルダ、メトロイド、スプラトゥーンなど、独自に会社がもっているゲームがあります
これらのゲームは、PSや、Xboxで絶対にリリースされません
PS3・Xbox 360の時代には、PSが国内ソフトの囲い込みに成功し、Xboxとの市場争いを制しています
ところが昨今、PCゲームが増えたのか、ソフトメーカー側の販売方針が変わったからか、PS・Xbox・PCの同時リリースがほとんどになりました
数年前まで、あえて日本ではPC版をださないという、俗にいう”おま国”状態でしたが、最近は珍しいほど
ソフトの独占状態が崩れ、我々ユーザーはPSや、Xbox、PCなど、さまざまなプラットフォームを選択できるようになりました
ソフト販売の変化
『フォートナイト』はじめ、『Apex』など、競技性のある無料ゲームもかなり増えています
当然ですが、そういった無料ゲームはたいていがDL販売
Steamや、Epic Gameなど、PCでゲームを遊ぶ場合もダウンロード版が当たり前
家庭用のゲームでも、ソフトの販売数がDL版がパッケージ版を上回るということがありました
意外と子供たちに買い与える場合も、DL版選ぶ家庭もおおいそうです
というのも、子供同士の貸した借りた問題が起きないから
そういったトラブルを避けるため、DL版を購入するとのこと
パッケージソフトがメインの家庭用ゲーム機ですが、ここでもPC化の流れがわずかに始まっています
ゲームハードの未来
- ゲーム機の高性能化
- ソフトの独占販売
- DL販売の増加
これらの理由でゲーム機のPC化が進んでいますが、決して私は「今すぐゲーミングPC買え」という意見ではありません
ゲームハードも高価になってきましたが、それでも5~6万円ほど
PCはCS越えの12~15万円と、まだまだPCのほうが値は張ります
(PCはほかの用途にも使えますが)
とはいえ、あと10~20年後の話になるかもしれませんが、ゲーム機のPC化は避けられないでしょう
ではその後、ゲームハードがない時代はどう遊ぶのか、個人的な見解を紹介したいと思います
予想その1:ゲームハードのクラウド化
すでにクラウドでゲームプレイするというサービスは存在します
ゲームパスでも月額1050円前後
ソニーでは、『PS Now』というサービスが提供中
クラウドゲーミングのメリットは、誰でもマルチプレイに参加しやすいこと
処理は配信もとの高性能PCで処理するので、映像を受けとる側は家庭用ゲーム機や、高価なPCは必要ありません
それどころか回線速度さえあれば、スマホや、タブレットでも十分遊べます
まだ5G回線が普及していませんが、家庭内Wifiを利用したリモートプレイなら、ソロプレイの作品前提ですが遊ぶことは十分可能です
携帯回線だけでなく、家庭内回線もどんどん速度も、安定性もあがるので、クラウドゲーミングの市場が盛り上がることはありえます
予想その2:各社が独自プラットフォームを展開
ここでいうプラットフォームとは、Steamのようなゲームを販売する場所
Steamを知らない方に説明すると、ゲームをDLするサイトのようなもので
購入したゲームを一括で管理して、プレイすることができます
PCユーザーなら誰もが利用しているのがSteamというワケです
このようなソフト販売・管理するものは、プレイステーションストアや、マイクロソフトストアなどが各ハード用に提供されています
ですがこれから先、プレイステーションストアをPCや、Xboxで利用できたり
マイクロソフトストアをPSでも利用できるようになるかもしれません
さらに、ブロックチェーンという相互監視するシステムもあるので、ストア内でゲームの譲渡や、売買もできるようになることもありえます
とはいえ、どこでもソフトを買えるなら、古くからあるSteamからユーザーを奪うのは困難
(実際、Epic Gameは赤字続きらしく、苦戦しているそう)
こうなった場合、激しい価格競争が起き、ソフト開発側が割を食いそうな気も…
今すぐというワケではありませんが、ジワジワPC化の流れは始まっています
これからはどこのプラットフォームに腰を据えるのか、ユーザー側は慎重になる時代がくるかもしれません
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